マンションに住んでいて、蓄電池を付けたいと考えている人もいるでしょう。ただ、補助金の情報は戸建住宅向けのものが多く、マンションでも使えるのかが分かりにくいものです。
この記事では、東京都環境公社の交付要綱と国土交通省のマンション標準管理規約をもとに、マンションで蓄電池の助成を使うときの条件を整理しました。東京都の蓄電池の助成は集合住宅も対象ですが、設置場所と電気の条件で戸建住宅より手間が増えます。付けられるかどうかの判断材料として読んでください。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

マンションに住んでいて、蓄電池を付けたいと考えている人もいるでしょう。ただ、補助金の情報は戸建住宅向けのものが多く、マンションでも使えるのかが分かりにくいものです。
この記事では、東京都環境公社の交付要綱と国土交通省のマンション標準管理規約をもとに、マンションで蓄電池の助成を使うときの条件を整理しました。東京都の蓄電池の助成は集合住宅も対象ですが、設置場所と電気の条件で戸建住宅より手間が増えます。付けられるかどうかの判断材料として読んでください。
東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」には、いくつもの助成があります。マンションで使えるかどうかは、助成ごとに違います。

公社の「家庭における蓄電池導入促進事業」のページでは、対象の住宅として戸建住宅と集合住宅の両方が示されています。助成額は戸建住宅と同じく、蓄電容量1kWhあたり10万円です。DR実証に参加しない場合は、1戸あたり120万円が上限になります。
申請できるのは、機器を所有して都内の住宅に設置する個人、法人、管理組合です。マンションの住戸に住む人が自分で蓄電池を買う場合も、管理組合が機器を持つ場合も、申請の対象になり得ます。
一方で、電気自動車の電池を家で使うV2Hの助成は「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」という名前のとおり、戸建住宅が対象です。公社のページでは、登記簿に専有部分の家屋番号が複数あるものや、共同住宅を含むものは対象外と説明しています。
共同住宅への設置については、充電設備普及促進事業(居住者用)で対象になる可能性があると案内されています。マンションで電気自動車を使う人は、そちらの事業を確かめましょう。
マンションで最初の壁になるのは、蓄電池をどこに置くかです。置き場所が住戸の中か外かで、必要な手続きが変わります。

国土交通省のマンション標準管理規約では、屋上、屋根、外壁、廊下などを共用部分としています。バルコニーも共用部分で、区分所有者には専用使用権が認められているという扱いです。
自分の住戸のバルコニーでも、自由に機器を置けるわけではありません。標準管理規約では、共用部分の管理は管理組合が責任と負担において行うとしています。実際の扱いは、それぞれのマンションの管理規約と使用細則で確かめる必要があります。
標準管理規約の第17条は、専有部分の修繕や設備の取付けでも、共用部分やほかの住戸に影響を与えるおそれがある場合は、あらかじめ理事長に申請して承認を受けるよう定めています。申請には設計図、仕様書、工程表を付け、理事会の決議で承認するかどうかが決まります。
蓄電池の設置では、分電盤までの配線や、壁に穴を開ける工事が必要になる場合もあるでしょう。工事の内容を業者に書面で出してもらい、管理会社や理事会に相談するところから始めましょう。
東京都の助成は、契約の前に事前申込をする仕組みです。マンションでは、その前に管理組合の手続きが入ります。

公社の交付要綱の第3条は、助成対象の住宅にほかの人が所有する部分がある場合、あらかじめその住宅のすべての所有者の承諾を得ていることを求めています。マンションでは、共用部分を区分所有者が共有しているのが一般的です。
どのような形で承諾を取ればよいかは、物件ごとに事情が違います。事前申込の前に、管理組合と公社の窓口に必要な書類を確かめておくと安心です。
理事会の承認が必要な場合は、理事会の開催日まで待つことになります。都の事前申込は契約の前に行うため、理事会の承認、事前申込、契約という順番を崩さないよう、業者と日程を合わせましょう。
交付申請兼実績報告は、事前申込の受付日から1年以内と令和11年3月30日のどちらか早い日までに出します。管理組合の手続きに時間がかかっても、この期限は延びないと考えておくのが無難です。
マンションの設置に対応できる業者を探す
マンションでは、管理組合の承認や設置場所の確認が欠かせません。集合住宅での工事に慣れた業者かどうかを、見積もりの段階で確かめておくと安心です。
設置できるかどうかの相談から始められます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
マンションでは、誰が機器を持ち、誰が建物を持っているかで、申請の形と必要な承諾が変わります。

自分の住戸に蓄電池を付ける場合は、機器を所有する個人として申請します。共用部分にかかわる工事なら、管理組合の承認と、ほかの所有者の承諾が前提です。
交付要綱の第8条は、事前申込をする人と住宅の所有者が違う場合、事前申込の前に住宅の所有者から機器の設置の承諾を得るよう定めています。賃貸でも、機器を自分で買い、建物の所有者の承諾を得られれば、申請の道はあります。
ただし、処分制限期間の6年の間に引っ越して機器を処分すると、公社の承認と助成金の一部の納付が必要になる場合がある点にも注意が必要です。住み続ける見込みも考えて判断しましょう。
実施要綱では、管理組合を区分所有法の管理者か管理組合法人と定めています。管理組合が機器を所有する場合は、管理組合として申請することになります。
東京都の蓄電池の助成は、太陽光でつくった電気や再生可能エネルギーの電気をためることが前提です。マンションの住戸では、この条件が大きな分かれ目になります。

多くのマンションの住戸には、自分の電気として使える太陽光がありません。その場合は、再エネ利用率が100%の電力メニューを契約し、その電気が住戸に供給されていることが助成の条件になります。
再エネ100%の電力メニューで助成を受けたら、処分制限期間の6年が終わるまで、そのメニューを続けて契約しなければなりません。電力会社を切り替えるときも、新しい契約が条件に合うかを確かめてからにしましょう。
マンションによっては、建物全体でまとめて電気を買い、各住戸に配る契約になっていることがあります。住戸ごとに電力会社やメニューを選べるかどうかは、再エネメニューの条件を満たせるかに直結します。管理会社に、住戸の電気の契約のしかたを確かめておきましょう。
屋上に太陽光を付けるかどうかは、共用部分の話なので管理組合が判断します。都の太陽光の助成は集合住宅も対象で、陸屋根に架台を組む場合は1kWあたり20万円の上乗せがあります。
住戸に合う蓄電池を相談する
マンションの住戸では、置き場所の広さや電力の契約によって選べる機器が変わります。設置できるかどうかを含めて、複数の業者の意見を比べてみましょう。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
理事会に工事を認めてもらうには、どんな工事をするのかが伝わる資料が欠かせません。標準管理規約の第17条では、申請書に設計図、仕様書、工程表を付けるよう定めています。
これらは自分でそろえるより、業者に作ってもらうほうが確実です。見積もりを頼むときに、管理組合への申請書類まで用意してくれるかを聞いておきましょう。
集合住宅での工事は、戸建住宅とは段取りが違います。マンションでの施工の経験があるか、管理組合への申請や都の事前申込の手続きを手伝ってくれるかを、見積もりの段階で確かめておくと安心です。
公社は、断熱・太陽光住宅普及拡大事業の手続きを代行する事業者のうち、不適切な対応があったものへの措置を公表しています。契約の前に、業者が措置の対象になっていないかも公社のページで確かめましょう。
助成額の計算は、戸建住宅と変わりません。蓄電容量1kWhあたり10万円で、税抜の助成対象経費が上限になります。
いずれも、機器費と工事費の税抜の合計がこの額より少なければ、その合計額が上限です。マンションでは置き場所が限られるため、容量の大きい機種を選べないことがあり、そのぶん助成額も小さくなります。
助成の対象になる経費は機器費と工事費で、諸経費は含まれません。管理組合への申請のために業者が作る書類の費用などが、どの項目に入るのかも見積書で確かめておきましょう。
マンションは、売却や賃貸に出すなど、住まいの状況が変わることも考えておきたい住宅です。助成を受けたあとにも守る決まりがあります。
交付要綱の別表3では、蓄電池の処分制限期間を6年としています。この期間中に機器を処分したり、助成の目的以外に使ったりする場合は、公社の承認を受けなければなりません。承認を受けるときは、残りの期間に応じて算出された額を納めることがあります。
住戸を売るときに蓄電池を残すのか、持ち出すのかで、扱いが変わることがあります。6年以内に売却や引っ越しの予定がある場合は、契約の前に公社の窓口で扱いを確かめておきましょう。
再エネ100%の電力メニューで助成を受けた場合は、その契約を続けることも条件です。引っ越しや電力会社の切り替えを考えるときは、この条件も忘れないようにしましょう。
区の蓄電池の補助は、マンションの扱いが区によって違います。たとえば中野区は、対象者に区民のほか管理組合等も含め、賃貸に住む人も所有者の同意があれば申請できるとしています。
ただし中野区の蓄電池の補助は、太陽光と接続していることが条件です。区の補助は、マンションが対象かどうかに加えて、太陽光との接続などの条件も合わせて確かめる必要があります。
都と区の条件をまとめて確認する
マンションでの蓄電池は、都と区で対象や条件が違います。両方の制度を説明できる業者を選ぶと、使える助成を取りこぼしにくくなります。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
マンションごとの管理規約によります。国の標準管理規約では、バルコニーは共用部分で、住戸の所有者には専用使用権があるという扱いです。置けるかどうかは、管理規約と使用細則、管理組合の判断で決まります。
機器を自分で所有し、事前申込の前に建物の所有者の承諾を得れば、申請の対象になり得ます。処分制限期間の6年の間に引っ越す予定がある場合は、慎重に考えましょう。
共用部分やほかの住戸に影響する工事は、理事会の承認がなければ行えません。置き場所や配線の経路を変えるなど、工事の内容を見直して相談し直すことになります。
東京都の助成の対象は、国の補助事業でSIIが登録した蓄電システムです。型番が登録済みの一覧にない機器は、助成の対象になりません。
東京都のV2Hの助成は戸建住宅が対象で、共同住宅は対象外です。共同住宅については、充電設備普及促進事業(居住者用)で対象になる可能性があると公社が案内しています。
東京都の蓄電池の助成は集合住宅も対象で、マンションの住戸の所有者、賃貸に住む人、管理組合が申請できる可能性があります。助成額は戸建住宅と同じ1kWhあたり10万円です。
ただし、バルコニーや屋上は共用部分で、工事には管理組合の承認が必要になることがあります。都の事前申込の前に、他の所有者の承諾も得ておかなければなりません。
太陽光がない住戸では、再エネ100%の電力メニューを6年間続けることも条件です。管理規約、電力の契約、区の補助の条件を確かめてから、業者に相談しましょう。