中古住宅を買ったら、蓄電池や太陽光を付けたいと考える人もいるでしょう。ただ、補助金の案内は新築向けのものが目立ち、中古住宅でも同じように使えるのか迷うものです。
この記事では、東京都環境公社の交付要綱と東京都の実施要綱をもとに、中古住宅で使える東京都の助成を整理しました。東京都の太陽光の助成は、住宅を建てた後に付ける既存住宅のほうが、新築より単価が高く設定されています。前の持ち主が助成を受けていた機器の扱いもあわせて紹介します。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

中古住宅を買ったら、蓄電池や太陽光を付けたいと考える人もいるでしょう。ただ、補助金の案内は新築向けのものが目立ち、中古住宅でも同じように使えるのか迷うものです。
この記事では、東京都環境公社の交付要綱と東京都の実施要綱をもとに、中古住宅で使える東京都の助成を整理しました。東京都の太陽光の助成は、住宅を建てた後に付ける既存住宅のほうが、新築より単価が高く設定されています。前の持ち主が助成を受けていた機器の扱いもあわせて紹介します。
東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」には、中古住宅でも使える助成がいくつもあります。蓄電池、太陽光、高断熱窓、V2Hが代表的なものです。

蓄電池の助成は、新築か中古かで単価が変わりません。蓄電容量1kWhあたり10万円で、DR実証に参加しない場合は1戸あたり120万円が上限です。条件は、未使用品を都内の住宅に新しく設置することです。
窓の断熱改修は、「既存住宅における省エネ改修促進事業」として、既存住宅を対象に助成されています。公社のリーフレットでは、窓のサイズと性能に応じた単価で、費用の2分の1相当、1戸あたり200万円が上限です。中古住宅のリフォームと合わせて検討しやすい助成です。
同じ事業では、高断熱ドアや、壁・床などの断熱、高断熱浴槽にも助成があります。リーフレットでは、壁・床などの断熱は費用の3分の1で1戸あたり100万円まで、高断熱浴槽は1戸あたり9.5万円です。
V2Hの助成は戸建住宅が対象で、新築か中古かは問われません。建物の登記の種類に「居宅」が含まれていることが条件で、区分登記の二世帯住宅などは対象外です。通常は経費の2分の1で上限50万円、太陽光と電気自動車がそろうと上限100万円になります。
太陽光の助成は、住宅の建築と同時に付ける新築単価と、建築後に付ける既存単価に分かれています。中古住宅を買ってから付ける場合は、既存単価で計算します。

既存住宅では、発電出力が3.75kW以下なら1kWあたり15万円で上限45万円、3.75kWを超えると1kWあたり12万円です。新築住宅は、3.6kW以下なら1kWあたり12万円で上限36万円、超えると1kWあたり10万円です。
同じ5kWの太陽光でも、既存住宅なら60万円、新築住宅なら50万円と、10万円の差が出ます。中古住宅を買った人にとっては、見逃したくない違いです。
公社のリーフレットでは、既存の太陽光発電設備を取り替える場合も、既存住宅の助成の対象になると説明しています。中古住宅に古い太陽光が付いていて、性能が落ちている場合は、取り替えも選択肢の一つです。
一方で、交付要綱は既存のシステムの一部として増設されたものを対象外としています。今ある太陽光にパネルを足すだけの工事では、助成を受けられません。
中古住宅に合う太陽光と蓄電池を相談する
中古住宅では、屋根の状態や既にある設備によって選べる組み合わせが変わります。既存住宅の助成を踏まえて提案してくれる業者を比べてみましょう。
訪問営業はせず、ウェブから申し込めます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
中古住宅には、前の持ち主が付けた蓄電池や太陽光が残っていることがあります。その機器に都の助成が使われていた場合は、決まった期間の手続きが関わってきます。

都の助成を受けた機器には、処分制限期間があります。蓄電池の交付要綱では蓄電池システムが6年、太陽光の交付要綱では太陽光発電システムが17年です。期間は機器を設置した日から数えます。
蓄電池と太陽光の交付要綱の第22条は、売買などで助成を受けた人の地位を引き継ぐ場合、助成を受けた人が公社に承認を申請するよう定めています。承認されると、助成に伴うすべての権利と義務が買い手に移る仕組みです。
義務には、処分制限期間が終わるまで機器を適切に管理することなどが含まれます。蓄電池を再エネ100%の電力メニューで申請していた場合は、そのメニューを続ける条件も関わってきます。中古住宅の購入を決める前に、残っている機器に都の助成が使われているかを売り手に確かめておきましょう。
住宅の建築と販売を業とする住宅供給事業者が、助成を受けた機器付きの住宅を売る場合は、売買契約の重要事項説明書などに地位の承継の内容を書くよう定められています。重要事項の説明のときに、機器の助成の有無を確かめましょう。
都の助成は、未使用品を新しく設置することが条件です。前の持ち主が付けた機器について、買い手が改めて助成を受けることはできません。
都の助成は、工事の契約の前に事前申込をするのが原則です。中古住宅では、住宅の売買と工事の契約の順番にも気を配る必要があります。

ここでいう契約は、蓄電池や太陽光の売買契約や工事の契約のことです。住宅を買ったあとでも、工事の契約を先に結んでしまうと、原則として助成の対象になりません。令和8年4月1日から6月30日までに契約した分には特例がありますが、それ以外の時期は事前申込が先です。
蓄電池の交付要綱の第8条は、事前申込をする人と住宅の所有者が違う場合、事前申込の前に所有者から機器の設置の承諾を得るよう定めています。家族名義の住宅に付ける場合なども、この承諾が必要です。
代金は助成を受ける本人が支払い、交付申請では金融機関発行の証明書等を出します。住宅ローンに工事費を含める場合などは、支払いの証明として何を出せるかを、契約の前に業者と確かめておくと安心です。
リフォームと合わせて相談できる業者を探す
中古住宅では、屋根や窓のリフォームと一緒に太陽光や蓄電池を検討することが多くなります。都の助成の順序を踏まえて段取りを組める業者を選びましょう。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
中古住宅で太陽光と蓄電池を同時に付けた場合の助成額を、都の単価で計算してみます。どちらも税抜の経費が上限で、千円未満は切り捨てられます。
新築住宅で同じ組み合わせを付けた場合は、太陽光が50万円になるため合計は120万円です。中古住宅のほうが、太陽光の分だけ助成額が大きくなる計算です。
区によっては、太陽光や蓄電池に独自の補助を出しているところもあります。都の助成と区の補助を合わせると、自己負担をさらに抑えられることがあります。ただし、区の補助は申請の時期や順序が都と違うため、住んでいる区の制度を先に確かめましょう。
中古住宅は、屋根や外壁の状態が新築とは違います。都の助成には、設置の安全性や周りへの配慮についての条件もあります。
太陽光の交付要綱の第17条は、交付の条件として、機器について立地上または構造上安全な状態が確保されていることを挙げています。公社が求めた場合は、安全性などを確認する書類を出さなければなりません。
築年数がたった住宅では、屋根の傷み具合によって、補修や葺き替えを先に考える必要が出ることもあります。太陽光を載せる前に、屋根の状態を業者に見てもらいましょう。
太陽光の設置では、環境省の「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」に準拠し、都の条例で定める日常生活の騒音と振動の基準を守ることも交付の条件です。住宅が密集した地域の中古住宅では、パワーコンディショナの置き場所なども業者と相談しておくと安心です。
屋根の状態から相談できる業者を探す
中古住宅では、屋根の状態や既にある設備を確かめたうえで、太陽光や蓄電池の計画を立てることが大切です。現地を見て提案してくれる業者を比べてみましょう。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
中古住宅では、すでに付いている設備によって、使える助成や条件が変わります。よくある4つの状況にまとめました。

蓄電池の助成では、太陽光が既にあることが前提の一つです。ただし、その太陽光のモジュールが認証を受けた製品であることや、発電した電気を住宅の居住部分で使うことなどの条件があります。
実施要綱では、認証は有効期限内の製品に限るとしています。古い太陽光が付いている中古住宅では、条件を満たすかどうかを業者に確かめてもらいましょう。満たさない場合でも、再エネ100%の電力メニューを契約すれば、蓄電池の助成の対象になります。
前の持ち主が付けた蓄電池に容量を足す場合は、蓄電池ユニットの増設として1kWhあたり6万円の助成があります。増設後の機器構成がSII登録機器であること、条件を満たす太陽光が既にあること、増設後もメーカー保証が使えることが条件です。
太陽光も蓄電池もない中古住宅なら、両方を同時に付けることもできます。太陽光と蓄電池はそれぞれ別の事業なので、事前申込も交付申請もそれぞれに行います。
購入の契約を結んでからでは確かめにくいこともあります。太陽光や蓄電池を付けるつもりなら、物件を選ぶ段階で次の4つを確かめておきましょう。
前の持ち主から地位を引き継ぐ場合は、売り手が公社に承認を申請する手続きが必要です。売買の契約の前に、この手続きを誰がいつ行うかを売り手と取り決めておくことが大切です。
事前申込をする人と住宅の所有者が違う場合は、事前申込の前に所有者の承諾が必要です。売買の途中で手続きが複雑になるため、引渡しの時期と合わせて業者と相談しましょう。
まずは売り手や仲介する不動産会社に確かめます。住宅会社が売る物件では、重要事項説明書などに地位の承継の内容が書かれることになっています。
新しい蓄電池システムを未使用品で設置するなら、条件を満たせば助成の対象です。ただし、前の持ち主から助成の地位を引き継いだ蓄電池が処分制限期間中なら、撤去して廃棄することは処分にあたるため、あらかじめ公社の承認が必要です。承認を受けるときは、算出された額を納めることがあります。
相続で助成を受けた人の地位を引き継ぐ場合は、一般承継として、速やかに地位承継の届出書を公社に出す決まりです。処分制限期間が過ぎたあとの相続なら、この手続きはいりません。
窓の断熱と蓄電池は別の事業なので、それぞれに事前申込をします。どちらも契約の前の事前申込が必要です。
中古住宅でも、東京都の蓄電池や太陽光の助成は対象です。蓄電池は新築と同じ1kWhあたり10万円で、太陽光は既存住宅の単価が新築より高く設定されています。
前の持ち主が助成を受けた機器が残っている場合は、処分制限期間の途中なら地位の承継の手続きが関わり、権利と義務を引き継ぎます。同じ機器で改めて助成を受けることはできません。
工事の契約の前の事前申込、所有者の承諾、記録が残る支払いという順序を守り、既にある設備の状態も確かめてから業者に相談しましょう。