太陽光発電の固定価格での買取は、住宅用では10年間で終わります。満了が近づくと、電力会社から通知が届き、同じころに蓄電池の営業も増えてきます。売電を続けるべきか、蓄電池を付けるべきか、迷う人は多いはずです。
この記事では、資源エネルギー庁と東京都環境公社の公式資料をもとに、買取期間が終わる東京の家が選べる道と、それぞれの手続きを整理しました。満了後も売電は続けられ、蓄電池を付けなければ必ず損をするわけではありません。そのうえで、蓄電池を付けると都の助成を受けられる点も確かめていきます。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

太陽光発電の固定価格での買取は、住宅用では10年間で終わります。満了が近づくと、電力会社から通知が届き、同じころに蓄電池の営業も増えてきます。売電を続けるべきか、蓄電池を付けるべきか、迷う人は多いはずです。
この記事では、資源エネルギー庁と東京都環境公社の公式資料をもとに、買取期間が終わる東京の家が選べる道と、それぞれの手続きを整理しました。満了後も売電は続けられ、蓄電池を付けなければ必ず損をするわけではありません。そのうえで、蓄電池を付けると都の助成を受けられる点も確かめていきます。
資源エネルギー庁のよくある質問は、満了後も固定価格買取制度そのものがなくなるわけではないと説明しています。2009年11月に始まった余剰電力買取制度の家から、2019年11月以降、10年間の買取期間が順に満了してきました。

満了後の選択肢は大きく2つです。今の電力会社か別の小売電気事業者と契約して売電を続けるか、蓄電池や電気自動車と組み合わせて自家消費を増やすかを選びます。
自家消費を増やす方法は蓄電池だけではありません。電気自動車があれば、V2Hの機器を通じて車の電池に太陽光の電気をため、家で使うこともできます。都の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」は、通常は経費の2分の1から国などの補助を引いた額で上限50万円、太陽光と電気自動車がそろう場合は上限100万円です。車を持っている家は、蓄電池とV2Hの両方で見積もりを比べるとよいでしょう。
契約が自動で続かない場合、小売電気事業者と買取の契約を結ばなければ、余った電気は一般送配電事業者が無償で引き受けることになります。国はこれを、買い手がいないときの一時的・例外的な受け皿と位置づけています。満了の前に、売電の契約が自動で続くのかを今の電力会社に確かめておきましょう。
資源エネルギー庁は、2019年から2023年に買取期間が満了する件数を、市区町村ごとに幅で公表しています。全国では、2018年の審議会の資料で、2019年の11月と12月だけで約53万件、2023年までの累積で約165万件・670万kWが対象になる見込みとされていました。
| 満了予定件数(2019〜2023年) | 23区の主な区 |
|---|---|
| 4,000件以上5,000件未満 | 世田谷区・練馬区・足立区 |
| 3,000件以上4,000件未満 | 杉並区 |
| 2,000件以上3,000件未満 | 大田区・葛飾区・江戸川区 |
| 1,000件以上2,000件未満 | 目黒区・中野区・板橋区 |
| 100件未満 | 千代田区・中央区 |
買取期間は10年間なので、2016年に売電を始めた家は2026年に満了を迎えます。戸建てが多い区ほど満了する家が多く、これからも毎年、満了する家が出てきます。
区の上乗せ補助には、蓄電池と太陽光の接続を条件にしている区があります。江東・豊島・新宿・文京の4区は、太陽光またはエネファームとの常時接続を蓄電池の要件にしています。受付期間や予算の状況は年度の途中で変わるため、申し込む前に区のページで確かめてください。
資源エネルギー庁によると、満了の6か月から4か月前(事業者の都合で3か月前のこともあります)を目安に、今の買取事業者から満了の時期や必要な手続きを書いた通知が届きます。通知を待たずに、契約書や検針票で買取を始めた時期を確かめておくと準備が早く進みます。
売電を続けるか蓄電池を付けるかを考えるときは、1kWhあたりの価値を比べます。調達価格等算定委員会の2026年2月の意見は、満了後の売電価格と、自家消費の便益の想定をそれぞれ示しています。

2025年12月時点で確認された各社の買取メニューの売電価格は、平均10.0円/kWh、中央値9.5円/kWhでした。一方で、2026年度の自家消費の便益は、大手電力の過去10年の家庭用電気料金単価に消費税を加えた27.45円/kWhと設定されています。
たとえば1日5kWhを売らずに家で使えたとすると、1kWhあたり約17円の差が1年で約3.2万円分になる計算です。蓄電池の価格は数十万円から百万円を超えるため、差額だけで元が取れるかは、助成の額と使える年数で大きく変わります。資源エネルギー庁も、どちらが得かは電気料金や蓄電池の価格、買取メニューによって異なり、一概には言えないとしています。
お金の比較だけでなく、停電への備えを重く見る家もあります。クール・ネット東京によると、太陽光の自立運転で停電時に使える電気は最大1.5kWまでで、専用のコンセントからしか使えません。発電しない夜も電気を使いたいなら、蓄電池が必要になります。停電時に冷蔵庫や照明を動かし続けたいかどうかも、蓄電池を付けるかの判断に加えてください。
環境省の家庭の統計調査(令和5年度)では、関東甲信の戸建てが電力会社から買っている電気は、計算すると1日約12.7kWhです。容量は大きいほど価格も上がるため、夜にどれだけ使うかと、昼に余る電気の量を検針票で確かめてから選びましょう。
売電と蓄電池のどちらが合うか相談する
満了後の売電価格と、蓄電池で自家消費を増やした場合の差は、家ごとの電気の使い方で変わります。助成を使ったときの自己負担も含めて比べてもらいましょう。
訪問営業はせず、ウェブから申し込めます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
売電を続ける場合も、蓄電池を付ける場合も、満了までに決めておくことがあります。資源エネルギー庁は、事業者の手続きに一定の期間がかかるため、早めの申し込みを勧めています。

満了後の単価や買取メニューは、買い取る小売電気事業者によって異なります。資源エネルギー庁は、満了後の電気を買い取りたい事業者の一覧を公表しているので、自分の地域でサービスを提供している事業者を探すときの手がかりになるでしょう。
大手電力会社が満了後に結ぶ1回目の買取契約には、違約金など解約を制限する条項を設けないことが望ましいと、国が要請しています。まず今の電力会社の満了後のメニューを確かめ、ほかの事業者と比べてから決めても遅くありません。
国の要請には例外があり、蓄電池などの設備の設置に事業者が相当の投資をするメニューは、解約を制限する条項を設けないという考え方の対象外とされています。蓄電池の設置とセットになった買取メニューを選ぶときは、契約期間や途中で解約したときの費用を必ず確かめてください。
資源エネルギー庁は、太陽光パネルは一般に20〜30年以上発電を続けられるとしていて、住宅用は最初の10年が制度による買取、その後少なくとも10年は自家消費や自由契約での売電を想定して制度を設計したと説明しています。一度固定価格での買取を受けた家は、パネルを新しくしても、同じ場所で再び支援を受けることはできません。
満了を機に蓄電池を付ける場合は、国への届出と、東京都の助成の申請の2つが関わります。どちらも、順番を間違えないことが大切です。

買取期間の途中で蓄電池を付けると、国の制度では変更認定が必要です。2019年8月2日の関係法令の改正で、買取期間が終わった後、廃止届出が受理されるまでの間に蓄電池を付ける場合は、変更認定ではなく事前変更届出で足りることになりました。手続きを施工業者が代わりに進めるかどうかも、見積もりの段階で確かめておきましょう。
都の「家庭における蓄電池導入促進事業」は、太陽光が既に設置されている住宅でも、1kWhあたり10万円を助成する仕組みです。DR実証に参加しない場合の上限は1戸120万円で、契約の前に事前申込をする必要があります。
実施要綱は、前提になる太陽光について、パネルの認証(認証の有効期限内の製品に限る)、住宅の居住部分で使うこと、発電出力が50kW未満であることを求めています。満了を迎える家のパネルは10年以上前の製品なので、認証の状況を型番で確かめてください。要件を満たさない場合は、再エネ電力メニューの契約が条件の区分になります。
都の交付要綱は、蓄電池システムの処分制限期間を6年としています。その間に売却や廃棄をするときは公社の承認が必要で、助成金の一部を納めることもあります。住み替えや建て替えの予定がある家は、6年の間に手放す可能性がないかも考えておきましょう。
既設の太陽光で助成が使えるか確かめる
満了を迎える家の太陽光は、パネルの認証などの要件を確かめる必要があります。型番をもとに、都の助成が使えるかを業者に確認してもらいましょう。
訪問営業はせず、ウェブから申し込めます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
満了の時期に合わせて、売電の契約や蓄電池の営業を受ける家は少なくありません。資源エネルギー庁は、満了を迎える人に向けたページで、誤解を招くセールストークに注意するよう呼びかけています。

同じページは、0円での引き取りは一時的に買い手が不在になった場合の例外的なケースだと説明しています。今の電力会社が満了後に買取をしないとは限らない点も、あわせて示されています。
訪問販売で強引に勧められて契約した場合は、クーリング・オフで契約を解除できることがあります。資源エネルギー庁は、消費者ホットライン(188)で消費生活相談窓口に相談するよう案内しています。その場で契約せず、複数の業者の見積もりと、満了後の買取メニューを比べてから決めましょう。
契約が自動で続く場合は、新しい単価で買取が続きます。自動で続かない場合は、どこかの小売電気事業者と契約しない限り、余った電気は一般送配電事業者が無償で引き受けることになります。
資源エネルギー庁は、どちらが得かは電気料金や蓄電池の価格、買取メニューによって異なり、一概には言えないとしています。都の助成を使った自己負担と、売電との差額を比べて判断してください。
廃止届出が受理されるまでの間に付けるなら、変更認定ではなく事前変更届出が必要です。施工業者が手続きを代わりに進めることもあるので、見積もりの段階で確かめましょう。
使えます。ただし、パネルが認証の有効期限内の製品であることなどの要件があり、満たさない場合は再エネ電力メニューの契約が条件の区分になります。型番をもとに業者と公社に確かめてください。
買取期間が終わっても、売電を続けることも、蓄電池で自家消費を増やすこともできます。何も契約しないと余った電気は無償で引き取られるため、通知が届いたら今の契約が自動で続くのかを確かめ、買取メニューを比べておきましょう。
満了後の売電価格は平均10円ほどで、家で使う電気の価値の想定とは1kWhあたり約17円の差があります。蓄電池を付ける場合は、都の1kWhあたり10万円の助成と、国の事前変更届出を、契約の前に確かめてから進めてください。
満了前に見積もりを比べる
売電を続けるか蓄電池を付けるかは、見積もりと助成額を並べると判断しやすくなります。満了の前に、条件を説明できる業者の提案を比べましょう。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。