補助金の基礎知識
DR補助金のデメリットは6つ|国の家庭用蓄電池の補助金と東京都の助成を比べて分かること
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蓄電池を検討していると、「DR補助金」という言葉を目にすることがあります。国の補助金で蓄電池が安くなるなら使いたいと思う一方、条件や制約が分かりにくいと感じる人も多いでしょう。
この記事では、環境共創イニシアチブ(SII)が公表している令和7年度補正の「DR家庭用蓄電池事業」の公募要領をもとに、DR補助金のデメリットを整理しました。令和7年度補正のDR補助金は、2026年5月29日に予算に達して公募が終わっており、再開の予定はないとされています。次の公募があった場合に備えて、仕組みと注意点を知っておきましょう。
国のDR補助金とは
DR補助金は、電力の需要と供給を合わせる「DR(ディマンドリスポンス)」に使える家庭用蓄電池の導入を支援する国の補助金です。令和7年度補正では、SIIが「家庭用蓄電システム導入支援事業(DR家庭用蓄電池)」として公募しました。
申請には2つの形があります。蓄電池アグリゲーターとDR契約を結ぶ形と、小売電気事業者が提供するDRメニューに加入する形です。どちらの形でも、補助を受けた蓄電池をDRに使うことが前提になっています。
国のDR補助金で気をつけたい6つの点
公募要領の内容から、申請する前に知っておきたいデメリットを6つにまとめました。

1 DRに2028年3月末まで参加する
DR契約やDRメニューへの加入は、少なくとも2028年3月31日まで続けなければなりません。この期間をDR対応期間といい、途中で続けられなくなった場合はSIIに早急に相談するよう求められています。
2 補助額に上限がある
補助額は、蓄電池の初期実効容量に応じた基準額、経費の3/10、1申請あたり60万円の上限のうち、最も低い額です。容量の大きい蓄電池でも、60万円を超えることはありません。
3 目標価格を超えると対象外
蓄電システムの購入価格と工事費の合計が、1kWhあたり12.5万円(税抜)の目標価格以下でなければ対象になりません。ハイブリッド型の機器などは、パターンに応じて比べる金額から控除できる決まりがあります。控除額は、電力変換装置の定格出力1kWあたり1万円から3万円です。
4 交付決定の前に契約できない
公募要領では、交付決定の前に売買契約や受発注、支払いをした場合は、理由を問わず補助の対象外としています。SIIの審査を待ってから契約する必要があるため、設置までの時間が長くなりがちです。
5 他の国の補助金と併用できない
DR補助金は、他の国庫補助金との併用ができません。地方自治体の補助金や助成金との併用については、それぞれの自治体に確認するよう求めています。
6 予算に達すると早く終わる
令和7年度補正の公募期間は2026年3月24日から12月10日まででしたが、5月29日に交付申請額の合計が予算に達して終了しました。公募期間が残っていても、予算に達した時点で受付が終わる点は大きな注意点です。
申請から完了までの流れ
DR補助金は、蓄電池を売る販売事業者が「共同実施事業者」として、購入する人と一緒に交付申請をする仕組みです。共同実施事業者になれるのは、蓄電池アグリゲーターなどが登録した販売事業者だけです。
個人が申請する場合は、自分のメールアドレスを持ち、SIIが指定する本人確認の方法を使うことにも同意します。リースで導入する場合は、リース事業者と使う人が共同で申請します。
完了までにすることは4つ
補助事業が完了したとされるのは、DR契約の締結かDRメニューへの加入、蓄電池の設置と通電の確認、検収、経費の全額の支払いの4つがすべて終わった日です。令和7年度補正では、完了の最終期限は2027年1月14日とされていました。
IoT化関連機器を新しく付けてDRに対応する場合は、セキュリティの基準を満たしたラベルを取得した機器を使うことも条件です。機器の構成が変わってDRに対応できなくなった場合、その分の費用は補助の対象外になります。
補助額は3つのうち最も低い額
DR補助金の補助額は、3つの方法で計算した額のうち最も低い額になります。計算のしかたを例で図にしました。

基準額は初期実効容量1kWhあたり3.45万円
令和7年度補正の補助金基準額は、蓄電池の初期実効容量1kWhあたり3.45万円です。初期実効容量は、機器ごとにSIIの製品一覧で公開されます。都の助成は蓄電容量で計算するため、国と都では計算に使う容量の考え方が違う点に注意しましょう。
評価による増額もある
故障や災害のときの復旧体制が整っている機器は1kWhあたり0.2万円、メーカーが廃棄物処理法の広域認定を取っている機器は0.1万円が基準額に上乗せされます。ただし、上乗せがあっても経費の3/10や60万円の上限を超えることはありません。
国と都の補助をまとめて試算できる業者を探す
国のDR補助金と東京都の助成は、計算のしかたも条件も違います。どちらを使うと得になるかを試算してくれる業者を選ぶと、比べやすくなります。
- 申込は東京都内の住宅が対象
- 訪問営業はせず、申込後に電話で日程を決めて現地調査
- 東京都や区の補助金の申請を代行・サポート
- 施工保証10年、2年に一度の点検とパネル洗浄
無料で相談・見積もりを依頼する
訪問営業はせず、ウェブから申し込めます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
DR契約で蓄電池に起きること
DR補助金を受けると、蓄電池は自分のためだけでなく、電力の需給を調整するためにも使われます。公募要領が定めるDRの内容を図にしました。

下げDRは遠隔制御が必須
下げDRは、電力の需給がひっ迫したときに、蓄電池の電気を使って電気の需要を抑えるものです。公募要領では、下げDRは遠隔での制御を必須としています。上げDRは、再エネが余るときに蓄電池を充電して需要をつくるもので、遠隔制御か制御指示で対応します。
注意報・警報・節電要請のときに実施
蓄電池アグリゲーターは、需給ひっ迫注意報や警報が出たときと国の節電要請のときに、やむを得ない場合を除きDRの要請や遠隔制御を行います。節電要請の期間中のDRは任意です。DRの実施中は、蓄電池の充電や放電がアグリゲーターの制御で行われることになります。
データの提供にも同意する
再エネの出力制御が見込まれる期間には、SIIが指定するデータを取得し、求めがあれば提出します。DRの実施状況を、アグリゲーターや小売電気事業者が国やSIIに報告することへの同意も、補助を受ける条件の一つです。
国のDR補助金と東京都の助成の違い
東京都に住んでいる人は、国のDR補助金と都の蓄電池の助成を比べて考えることになります。主な違いを図にまとめました。

単価は都のほうが高い
都の助成は蓄電容量1kWhあたり10万円で、DR実証に参加しない場合の上限は1戸120万円です。国のDR補助金の基準額は初期実効容量1kWhあたり3.45万円で、上限は60万円です。計算に使う容量の考え方は違いますが、単価だけ比べても大きな差があります。
併用すると都の助成額が調整される
都の実施要綱は、国や他の自治体の補助金を受ける場合、都の助成額と補助金の合計が助成対象経費を超えない範囲で交付するとしています。国の補助を受けても、合計が経費を超える部分は都の助成から差し引かれる仕組みです。
東京都のDR加算を選ぶときの約束
東京都の助成にも、DR実証に参加すると加算がある仕組みがあります。国のDR補助金ほど長くはありませんが、参加するなら守る約束があります。

加算は1台15万円か10万円
都のDR実証に参加し、エネルギーマネジメント機器とIoT関連機器を新しく付けると1台あたり15万円、機器を付けずに参加すると10万円が加算されます。DR実証に参加する場合、120万円の上限の扱いも変わります。
2か年度のDRとデータの提供
都登録の家庭用アグリゲーターとDR実証の契約を結び、交付決定を受けた年度から2か年度、原則として需給ひっ迫の警報や注意報が出たときと年間10日以上のDRに応じます。電力データや機器の稼働状況の提供、アンケートへの協力も求められます。
手続きは、アグリゲーターが公社に登録した販売事業者に代行を依頼する決まりです。DR加算を考えるなら、見積もりを取る業者が登録販売事業者かどうかを最初に確かめましょう。
DRに参加するかどうかを相談する
DRに参加すると補助や加算は増えますが、蓄電池の使い方に制約もかかります。家の電気の使い方に合わせて、参加するかどうかを説明してくれる業者に相談しましょう。
- 申込は東京都内の住宅が対象
- 訪問営業はせず、申込後に電話で日程を決めて現地調査
- 東京都や区の補助金の申請を代行・サポート
- 施工保証10年、2年に一度の点検とパネル洗浄
無料で相談・見積もりを依頼する
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
DR補助金が向いている人・向いていない人
ここまでの条件から考えると、DR補助金が向いているのは、蓄電池を電力の需給調整に使われても気にならず、目標価格以下の機器を選べる人です。交付決定を待つ時間の余裕がある人にも向いています。
一方で、蓄電池の充電や放電を外から制御されることに抵抗がある人や、すぐに設置したい人には向かないこともあります。東京都に住んでいるなら、まず都の助成で受けられる額を確かめ、国の補助を足すと合計がどう変わるかを比べるのが順序です。
なお、国の補助事業の処分制限期間は、導入した機器の法定耐用年数の期間です。その間に売却や廃棄をする場合は、事前にSIIの承認が必要で、補助金の返還が生じることがあります。
都の助成を中心に提案してくれる業者を探す
国の補助金は公募が終わっていても、東京都の助成は受付中の場合があります。都の助成を中心に、使える補助をまとめて提案してくれる業者を選びましょう。
- 申込は東京都内の住宅が対象
- 訪問営業はせず、申込後に電話で日程を決めて現地調査
- 東京都や区の補助金の申請を代行・サポート
- 施工保証10年、2年に一度の点検とパネル洗浄
無料で相談・見積もりを依頼する
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
次の公募に備えて確かめたいこと
国のDR補助金は年度ごとに公募され、条件や金額は公募ごとに変わってきました。次の公募があった場合に備えて、次の点を確かめておくと判断が早くなります。
- 見積もりの蓄電池が、DRに対応できる機器として登録されているか
- 購入価格と工事費の合計が、その年度の目標価格以下か
- 販売事業者が共同実施事業者として登録されているか
- DR契約の相手と期間、遠隔制御の内容
- 東京都の助成と合わせたときの合計額と、契約の順番
国は交付決定の後、都は事前申込の後に契約する決まりなので、両方を使うなら両方の手続きが済むまで契約を待つ必要があります。業者に段取りを確かめておきましょう。
よくある質問
今からDR補助金に申請できますか
令和7年度補正のDR補助金は、2026年5月29日に予算に達して公募が終わりました。SIIは公募の再開を行う予定はないとしています。次の公募があるかどうかは、SIIや国の発表を待つことになります。
DR契約の期間中に解約できますか
DR契約やDRメニューへの加入は、少なくとも2028年3月31日まで続けることが条件です。続けるのが難しくなった場合は、早急にSIIに相談するよう公募要領で求められています。
DR補助金の対象機器は都の対象機器と同じですか
同じではありません。DR補助金は、DRに対応できる蓄電システムとしてSIIに登録された製品が対象です。都の助成は、令和8年10月1日以降の事前申込では、国の住宅向けの補助事業(ZEH化などの促進事業)でSIIが令和8年度に登録した機器が対象になります。両方を使うなら、両方の条件を満たす機種を選ぶ必要があります。
DR補助金の処分制限期間は何年ですか
公募要領では、導入した機器の法定耐用年数の期間を処分制限期間としています。その間に売却や廃棄をする場合は、事前にSIIの承認を受ける必要があり、補助金の返還が生じることがあります。DR対応期間が終わったあとも、処分制限期間中は善良な管理者として機器を使い続け、SIIから活用状況を聞かれたら答えることも条件です。
東京都の助成とDR補助金は両方使えますか
国のDR補助金は、地方自治体の補助金との併用は各自治体に確認するよう求めています。都の助成は、国の補助金との合計が助成対象経費を超えない範囲で交付される仕組みです。
まとめ
国のDR補助金は、2028年3月末までのDR参加、1申請60万円の上限、1kWhあたり12.5万円の目標価格、交付決定前の契約不可、国の他の補助金との併用不可、予算到達での早期終了といった条件がついています。令和7年度補正は2026年5月29日に終了済みです。
東京都の助成は単価が高く、DR実証への参加は任意です。都の助成を基本に、DR加算や国の補助を使うかどうかを、蓄電池の使い方と合わせて考えましょう。