千代田区で蓄電池の導入を考えている方に向けて、区の制度を整理しました。区が実施しているのは「省エネルギー改修等助成制度」で、蓄電システムも対象に含まれています。
ただし先にお伝えしておくべき点があります。令和8年度分の申請受付は、予算額に達したため一旦終了しました。区が公開している情報をもとに、現在の状況と今後の考え方をまとめています。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

千代田区で蓄電池の導入を考えている方に向けて、区の制度を整理しました。区が実施しているのは「省エネルギー改修等助成制度」で、蓄電システムも対象に含まれています。
ただし先にお伝えしておくべき点があります。令和8年度分の申請受付は、予算額に達したため一旦終了しました。区が公開している情報をもとに、現在の状況と今後の考え方をまとめています。
区のホームページには、多くの申し込みがあった結果として予算額に達し、今年度分の申請受付を一旦終了したと記載されています。

注目したいのは終了までの早さです。本来の申請期限は令和9年2月15日でしたが、6月26日の時点ですでに終了が告知されていました。年度が始まって3か月足らずで予算が尽きたことになります。
区のパンフレットにも、受付は先着順で予算がなくなり次第終了すると明記されていました。人気の高い制度だったことがうかがえます。
今後の取り扱いについては、区が現在検討を行っているところだと案内されています。詳細が決まり次第ページで知らせるとのことです。
完全に打ち切りと決まったわけではありません。導入を検討している方は、区のホームページを定期的に確認しておくとよいでしょう。
制度の内容を見るときに、誤解しやすい点があります。上限額の考え方です。

区の案内では「上限合計額」と表現されています。蓄電池だけで100万円を受け取れるという意味ではありません。
住宅で申請できる複数の項目を合わせた上限が100万円です。太陽光やエネファーム、LED照明などとあわせて申請する場合、それらを合計した額がこの枠に収まる必要があります。
蓄電システムの助成率は対象経費の20パーセントです。仮に蓄電池の対象経費が200万円であれば40万円という計算になります。
対象経費は機器本体の資材費と工事費です。ここに含まれないものが明記されています。
消費税、改修前の機器に対する廃棄費などの経費、改修する機器の搬入費、諸経費は対象外です。見積書の総額がそのまま対象経費になるわけではないため、内訳の確認が必要になります。
なお助成金の額は千円未満が切り捨てられます。
マンションの共用部に導入する場合、上限額は総戸数によって変わります。100戸までが150万円、101戸から200戸までが300万円、201戸以上が450万円です。
千代田区はマンションが多い地域ですから、管理組合として共用部への導入を検討するケースもあるでしょう。その場合は区内の既存マンションの管理者または管理組合等が申請者になります。
使える制度から組み立てを考える
千代田区の受付は終わっていますが、東京都と国の制度は利用できます。どの制度を使えるかは設備の構成によって変わるため、複数社の提案を比べておくと判断しやすくなります。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
区の受付が終わっていても、蓄電池の導入費用を抑える手段がなくなるわけではありません。

むしろ金額の面で中心になるのは東京都の制度です。蓄電容量1kWhあたり10万円で、デマンドレスポンス実証に参加しない場合の上限は1戸あたり120万円になります。
千代田区の助成が対象経費の20パーセントであることを考えると、都の制度のほうが規模は大きくなります。区が使えない状況でも、導入そのものを見送る理由にはならないでしょう。
注意したいのが手続きの順序です。東京都は原則として契約を結ぶ前に事前申込を済ませる必要があります。工事を先に進めてしまうと対象外になります。
また2026年10月1日以降に事前申込をする場合、原則としてSIIの令和8年度の登録済製品一覧に登録された機器が対象です。年度後半に検討する場合は、機種がこの一覧に載っているか確認しておいてください。
太陽光発電設備がない住宅に蓄電池だけを導入する場合、指定された再生可能エネルギー100パーセントの電力メニューを契約することが条件になります。千代田区は集合住宅が多く、屋根に太陽光を設置できない住まいも少なくありません。この条件は確認しておく価値があります。
制度が再開した場合に備えて、手続きの流れを把握しておくと動きやすくなります。

千代田区の制度は工事前の申請が必須です。改修工事や取付工事をすでに実施している場合、助成の対象になりません。交付決定を受けてから工事を始める流れになります。
特徴的なのが事前相談の存在です。工事予定日の1〜2か月前を目安に、必要書類を用意して窓口へ相談します。書類に不備がなければその場で申請が受け付けられますが、不備があると一式返却されます。
この扱いは郵送の場合も同じです。修正して出し直すことになるため、事前相談を挟んでおくと確実になります。
交付申請は区役所5階の環境政策課の窓口、または郵送で受け付けます。出張所の窓口では提出できません。
窓口へ行く場合は事前の予約が求められています。オンライン申請には対応していないため、平日に区役所へ行く時間を確保するか、郵送での手続きを選ぶことになります。
審査には2〜3週間程度かかります。工事完了報告のあとにも同じくらいの審査期間があり、助成金交付額確定通知を受け取ってから請求書を提出する流れです。
請求日から振込までは1か月程度かかると案内されています。工事代金の支払いから助成金の入金まで、2か月以上の間があくと見込んでおいてください。
工事の日程から逆算する
千代田区は工事前の申請が必要で、審査にも時間がかかります。制度が再開した場合に備えて、設備の見積もりを早めに固めておくと動きやすくなります。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
助成を受けるには、申請者と機器の両方が要件を満たす必要があります。

住宅の場合、区内の既存建物の所有者であるか、所有者の承諾を得ている方が対象です。区分所有も含まれます。
中央区のように太陽光発電やエネファームとの接続を求める区もありますが、千代田区にその要件はありません。蓄電システムは単独での導入でも対象になり、新設も認められています。
機器は一般社団法人環境共創イニシアチブが補助対象機器として指定しているもの、またはそれに準じた性能を持つと区が認めるものが対象です。未使用のものに限られます。
千代田区独自の条件として、ちよエコ宣言を行っていることが求められます。個人向けの「ちよエコ宣言」と、事業者向けの「ちよエコ未来事業者宣言」があり、対象外となる場合を除いて必要です。
申請時には、宣言を行っていることがわかる資料の提出が求められます。制度が再開する場合に備えて、先に宣言を済ませておくという準備の仕方もあるでしょう。
改修した省エネ機器は5年間維持管理することが条件です。設置してすぐ撤去したり売却したりすることは想定されていません。
また同じ年度に同一の建築物で本助成制度の助成を受けていないことも要件になります。
制度が再開した場合に備えて、必要になる書類も確認しておきます。共通で求められるものは次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 助成金交付申請書 | 区のホームページから入手します |
| チェックリスト | 省エネルギー改修等助成に関するもの |
| 見積書と内訳書の写し | 改修工事等に係るもの |
| 機器の仕様がわかる資料 | 型番等が確認できるパンフレットなど |
| 図面 | 改修場所や個数、型番が見積書や現況写真と一致するか確認されます |
| 納税証明書の写し | 前年度のもの。個人は住民税でも可 |
| ちよエコ宣言の資料 | 宣言を行っていることがわかるもの |
申請者が所有者でない場合や共同所有の場合は、建物所有者の承諾書も必要になります。
蓄電システムの場合、設置状況がわかる写真と、型番等が記載された銘板の写真が求められます。工事が終わってからでは撮り直せないものもあるため、施工業者と共有しておくとよいでしょう。
細かい点ですが、提出書類に消せるボールペンを使用しないよう案内されています。
千代田区の案内には、他の助成金と併用することができると明記されています。工事完了報告のときに、併用した助成金の交付額がわかる確定通知の写しなどを提出する形です。
ただし東京都の助成対象経費は、機器費と工事費から国および他の地方公共団体の補助金を差し引いて計算されます。区の助成を受けた分は、都の側で控除される扱いになるため、単純な足し算にはなりません。
都の事前申込を逃さないうちに動く
千代田区の受付は終わっていますが、東京都の制度は今も利用できます。都は原則として契約前の事前申込が必要で、順序を誤ると対象外になります。契約を決める前に整理しておくと確実です。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
区の助成が使えない状況で、どう進めるかを整理しておきます。
区は今後の取り扱いを検討中としており、再開の時期も内容も未定です。再開を待つ場合、いつまで待つことになるか読めない点が難点になります。
一方で東京都の制度は現在も利用できます。都の助成だけでも1kWhあたり10万円と規模が大きいため、導入時期を決めているなら都と国の制度で進めるという判断も現実的でしょう。
仮に令和9年度に区の制度が再開したとしても、今年度と同じく先着順であれば早期に終了する可能性があります。年度が替わった直後に動けるよう、設備の構成と見積もりを先に固めておくのが有効です。
千代田区は住宅の多くが集合住宅です。分譲マンションの専有部に蓄電池を設置する場合、管理規約や共用部分の扱いによって制限を受けることがあります。
屋外に設置スペースを確保しにくい住まいでは、屋内に置ける機種を選ぶという方法もあります。見積もりを取る前に、設置できる場所があるかどうかを現地で確認してもらうと無駄がありません。
共用部への導入を検討する場合は、管理組合として申請する形になります。総会の議決書の写しなどが必要になるため、準備には時間がかかると見込んでおいてください。
補助金の受付が始まる時期は、制度を口実にした営業が増えやすい時期でもあります。
国民生活センターにも、突然の訪問を受けて太陽光発電設備や家庭用蓄電池を契約したという相談が寄せられています。その場で契約せず、見積もりの内容と補助金の手続きを確認してから判断してください。
とくに千代田区は現在受付が終了しています。区の補助金が使えると説明された場合、その時点の事実と異なる可能性があります。区のホームページで最新の状況を確かめてから判断するのが安全です。
できません。令和8年度分は予算額に達したため受付を一旦終了しています。今後の取り扱いは区が検討中とされているため、ホームページで最新の情報を確認してください。
受け取れません。100万円は住宅で申請できる項目を合わせた上限合計額です。蓄電システム自体の助成率は対象経費の20パーセントになります。
対象です。千代田区では太陽光発電などとの同時設置は求められていません。新設も認められています。
そうとは限りません。蓄電池の補助として金額が大きいのは東京都の制度で、1kWhあたり10万円、条件により上限120万円です。都の制度は区に関係なく利用できます。
千代田区が行っている環境に関する宣言の仕組みです。個人向けと事業者向けがあり、助成の申請では原則としてこの宣言を行っていることが要件になります。
千代田区の省エネルギー改修等助成制度は、令和8年度分の受付が予算額到達により終了しました。本来の期限より半年以上早い終了で、先着順の制度である点が影響したとみられます。
制度の内容としては、蓄電システムが対象経費の20パーセント、住宅の上限合計額が100万円です。この100万円は蓄電池単独の上限ではない点に注意してください。
現在は東京都と国の制度を軸に考えることになります。都の助成は1kWhあたり10万円と規模が大きく、区の助成がなくても導入費用は抑えられるでしょう。ただし契約前の事前申込が必要なため、順序を確かめてから進めてください。