荒川区で蓄電池や太陽光発電の導入を検討している方に向けて、区の制度を整理しました。荒川区が実施しているのは「エコ助成事業」で、蓄電システムと太陽光発電システムがどちらも対象に含まれています。
特徴は工事が終わってから申請する事後申請型であることと、どこで買うかによって上限額が変わることです。区が公開している令和8年度の手引きをもとにまとめました。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

荒川区で蓄電池や太陽光発電の導入を検討している方に向けて、区の制度を整理しました。荒川区が実施しているのは「エコ助成事業」で、蓄電システムと太陽光発電システムがどちらも対象に含まれています。
特徴は工事が終わってから申請する事後申請型であることと、どこで買うかによって上限額が変わることです。区が公開している令和8年度の手引きをもとにまとめました。
荒川区のエコ助成事業では、蓄電容量1kWhあたり5千円が助成されます。千円未満は切り捨てで計算されます。

たとえば10kWhの蓄電池なら5万円、16kWhなら8万円という計算です。V2Hも対象で、その場合は電気自動車に積まれている蓄電容量をもとに同じ単価で計算されます。
金額を考えるうえで見落としやすいのが、助成の対象になる費用の範囲です。対象は機器の本体費用のみで、しかも消費税を除いた額になります。
設置にかかる施工費や、既存の機器を処分する費用は対象外です。本体価格に対する値引きや、ポイントやクーポンを使った分も差し引いて計算されます。東京ゼロエミポイントを使った場合も同じ扱いです。
ただし単価が容量で決まる仕組みのため、本体費用が助成額を下回るケースは多くありません。実務上は容量から計算した額がそのまま受け取れると考えてよいでしょう。
荒川区の制度でもっとも特徴的なのが、購入先による上限額の違いです。

区内業者から購入すれば上限15万円、区外業者なら上限10万円です。同じ蓄電池を設置しても、購入先によって受け取れる金額の天井が変わります。
ここでいう区内業者の定義は明確です。領収書と内訳書に記載された発行者の住所が荒川区内であることが条件になります。
会社の規模や、実際に工事をした人がどこの所属かは関係ありません。書類上の発行者住所だけで判断されます。見積もりを取る段階で、どの会社名義で領収書が出るのかを確認しておくとよいでしょう。
もっとも、上限の差が実際に効いてくるのは大容量の設備を入れる場合に限られます。区内業者の上限15万円に届くには30kWh、区外業者の上限10万円でも20kWhの容量が必要です。
一般的な家庭用の蓄電池は10kWh前後が中心ですから、多くの場合は上限に届かず、区内業者でも区外業者でも受け取れる額は変わりません。上限額の差だけで業者を絞り込むより、設備の総額で比べるほうが結果的に有利になることもあります。
総額で比べてから決める
荒川区は上限額に差がありますが、一般的な容量では上限に届かないことがほとんどです。本体価格と工事費を含めた総額で比べたほうが、負担は小さくなりやすくなります。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
エコ助成事業では、太陽光発電システムも対象です。助成額は出力1kWあたり2万円で、上限は区内業者から購入した場合が30万円、区外業者の場合が25万円です。
蓄電池と同じく、施工と支払いが終わってから申請する事後申請型で、機器の設置完了日から1年以内に申請します。太陽光と蓄電池を一緒に入れる場合は、どちらも区内業者から買うと上限がそれぞれ上がります。助成の対象になる経費が本体費用(税抜)である点も蓄電池と同じです。
荒川区のエコ助成は、施工と支払いがすべて完了したあとに申請します。工事を始める前の事前申込は必要ありません。

この点は東京都の制度や、近隣区の一部の制度と大きく異なります。都の助成は契約前の事前申込が求められるため、両方を使う場合は都の手続きを先に進める必要があります。
受付期間は令和8年5月1日から令和9年2月26日までで、当日消印有効です。ただしこれとは別に、設置完了日から1年以内という条件もあります。
年度をまたいで設置した場合、受付期間内であっても1年を過ぎていれば申請できません。工事が終わったら早めに書類を準備しておくのが安全です。
受付期間が残っていても、助成金額が予算額に達した時点で受付は終了となるので注意が必要です。事後申請型のため、工事を終えてから申請しようとしたときにはすでに締め切られているという事態も起こりえます。
区のページでは、令和8年10月5日現在で予算に対する申請の割合が65パーセントと公表されています。導入を決めているなら、早めに工事と申請を済ませておくほうが確実でしょう。
助成を受けるには、申請者と機器の両方が要件を満たす必要があります。

個人として申請する場合は、機器を設置した住宅に住民票を置き、実際にそこに住んでいることが前提です。戸建ての所有者だけでなく、分譲マンションの区分所有者や、賃貸住宅の借主も対象になります。
賃貸の場合は、所有者による施工承諾書が必要です。
蓄電池は、国のZEH化等支援事業における補助対象機器として、一般社団法人環境共創イニシアチブに登録されているものが対象です。登録されていない機種を選ぶと、設置が終わっていても助成を受けられません。
V2Hの場合は、一般社団法人次世代自動車振興センターが認定した充電器であることに加えて、電気自動車に蓄えた電力を住宅用の電源として使えるものである必要があります。設置場所と電気自動車の使用の本拠が同じであることも条件です。
リースや中古品は対象外で、新品かつ未使用のものに限られます。
細かい点ですが、申請者の情報、領収書の宛名、振込先の口座名義は、すべて同一の名義でなければなりません。家族の名義で契約したり、口座だけ配偶者のものを指定したりすると、そのままでは受け付けてもらえません。
対象になる機種かを確認する
荒川区の助成はSIIに登録された機種に限られます。提案された機種が登録されているかどうかを、契約する前に確かめておくと安心です。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
提出する書類は、すべての申請者に共通するものと、申請者の区分に応じたものに分かれます。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 交付申請書 | 区の様式を使い、記入例を参照して作成します |
| 領収書と内訳書の写し | 工事内容、蓄電池容量、型式、数量、価格の内訳が明記されたもの |
| 設置場所の施工後写真 | 蓄電池ユニットの全体と、型式が分かる部分の両方 |
| カタログなどの資料 | 機器の全体と型式が確認できるもの |
| SII登録を示す資料 | 登録済製品一覧の該当部分の写しなど。蓄電容量も確認できるもの |
領収書と内訳書は、本体費用と施工費用の内訳が分かれている必要があります。原則として助成対象の項目だけが記載されたものを求められるため、他の工事とまとめて1枚にしないよう業者へ伝えておくとよいでしょう。
V2Hを申請する場合は、設置場所と電気自動車の使用の本拠が同じであることを示す書類として、自動車検査証の写しも必要になります。
提出先はあらかわエコセンター3階にある環境課の環境推進係です。受付は平日の午前9時から午後5時までで、祝日と年末年始は閉まっています。郵送の場合は当日消印有効として扱われます。
なお提出した書類は返却されません。手元に控えを残しておきたい場合は、コピーを取ってから提出してください。
手引きには手続きにかかるおおよその日数が示されています。書類を提出してから区の審査までが2か月から3か月、審査が終わってから入金までがさらに1か月程度です。
工事の支払いを終えてから助成金を受け取るまでには、3か月から4か月ほどかかると見込んでおくとよいでしょう。助成金を工事代金の支払いに充てる前提で資金計画を立てると、時期がずれてしまいます。
審査の過程で、申請内容について電話などで確認が入ることがあります。必要に応じて現地調査が行われる場合もあるとされており、申請に必要な書類以外に審査上必要な書類の提出を求められることもあるようです。
設置完了日から1年以内という期限について、手引きには具体的な数え方が示されています。11月1日に設置した場合、1年後は翌年の10月31日までです。
起算日と同じ日付までではない点に注意してください。1日の違いで対象外になることもあるため、期限が近い場合は余裕をもって提出するほうが安全です。
令和7年度に助成金の交付を受けた機器と同じものについては、あらためて申請することはできません。ただし前年度に購入していても交付を受けていない機器であれば、今年度の対象になります。
この場合、書類は改めてすべてそろえる必要があります。前年度に提出したものを流用することはできません。
金額の面で大きく効いてくるのは東京都の制度です。荒川区の助成はそこに上乗せする位置づけになります。

区の手引きには、国または都の補助事業について、併用先の事業で禁止されていない限り併用して申請できると記載されています。
一方で、荒川区の他の助成金との併用には制限があるので注意してください。同じ機器に対して区の他の助成を申請したり受けたりしていないことが条件です。ただし助成対象の経費が重複しない制度であれば併用できます。
不燃化特区の助成などが、経費の重複しない制度の例として手引きに挙げられています。判断に迷うときは申請前に窓口へ確認しておくとよいでしょう。
都の事前申込を逃さないうちに動く
荒川区は工事のあとに申請できますが、東京都の制度は契約前の事前申込が必要です。順番を間違えると都の120万円を受け取れなくなるため、契約を決める前に整理しておくと確実になります。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
制度の内容を踏まえると、荒川区で蓄電池を導入する際に押さえておきたい点がいくつか見えてきます。
区の助成は容量に単価をかける方式のため、容量が大きいほど助成額も増える計算になります。ただし上限に届くのは30kWh規模ですから、助成額を増やすために容量を上げるという考え方は現実的ではありません。
夜間にどれだけ電気を使うか、停電時にどの家電を動かしたいかを基準に選ぶほうが、費用対効果は高くなるでしょう。太陽光をすでに設置している場合は、日中の余剰電力がどれくらい出ているかも判断材料になります。
荒川区の申請では、本体費用と施工費用の内訳が分かれた内訳書が必要です。助成の対象になるのは本体費用だけなので、この区分があいまいだと審査が滞る可能性があります。
原則として助成対象の項目だけが記載された書類を求められる点にも注意してください。太陽光や他の工事とまとめて1枚の領収書にすると、あとで分けてもらう手間が生じます。契約の段階で、申請に使う書類の形を業者へ伝えておくとよいでしょう。
補助金の受付が始まる時期には、制度を口実にした営業が増えます。制度を口実にした勧誘に注意してください。
国民生活センターにも、突然の訪問を受けて太陽光発電設備や家庭用蓄電池を契約したという相談が寄せられています。その場で契約せず、見積もりの内容と補助金の手続きを確認してから判断してください。
金額の妥当性を判断するためにも、複数の事業者から見積もりを取ることをおすすめします。荒川区は本体費用と施工費用を分けた内訳書が必要になるため、内訳が明確な見積もりを出してくれるかどうかも判断材料になります。
荒川区のエコ助成については必要ありません。施工と支払いが完了したあとに申請します。ただし東京都の制度を併用する場合、都のほうは契約前の事前申込が必要です。
受けられます。ただし上限額が15万円から10万円に下がります。一般的な容量では上限に届かないことが多いため、実際の受給額に差が出ないケースもあります。
なりません。対象は機器の本体費用のみで、消費税を除いた額です。施工費や既存機器の処分費は含まれません。
設置完了日から1年以内であれば申請できます。ただし受付期間である令和9年2月26日までに提出する必要があり、予算に達した場合はそれより早く締め切られます。
出力1kWあたり2万円で、上限は区内業者から買うと30万円、区外業者だと25万円です。蓄電池と同じく、施工と支払いを終えてから申請します。
対象です。次世代自動車振興センターが認定した充電器で、電気自動車の電力を住宅用電源として使えるものが条件になります。助成額は電気自動車の蓄電容量1kWhあたり5千円です。
荒川区の蓄電池助成は1kWhあたり5千円で、上限は区内業者から購入した場合が15万円、区外業者の場合は10万円です。対象になるのは機器の本体費用のみになります。
工事完了後に申請する事後申請型のため、事前申込は不要です。ただし設置完了日から1年以内かつ令和9年2月26日までという期限があり、予算に達すれば期限前でも終了します。
金額の中心は東京都の制度で、区の助成は上乗せと考えるのが現実的でしょう。都の制度は契約前の事前申込が必要なため、順序を確かめてから進めてください。