渋谷区で蓄電池の導入を考えている方に向けて、区の制度を整理しました。結論からお伝えすると、令和8年度も渋谷区には蓄電池や太陽光発電を対象にした助成はありません。
ただし区が用意している家庭向けの制度は3つあり、条件によっては受け取れるものがあります。区の公式ページをもとに、使える制度と蓄電池の費用を抑える方法をまとめました。
東京都と区市町村の太陽光発電・蓄電池の補助金を、公的機関の一次情報から整理。情報基準日を明記しています。

渋谷区で蓄電池の導入を考えている方に向けて、区の制度を整理しました。結論からお伝えすると、令和8年度も渋谷区には蓄電池や太陽光発電を対象にした助成はありません。
ただし区が用意している家庭向けの制度は3つあり、条件によっては受け取れるものがあります。区の公式ページをもとに、使える制度と蓄電池の費用を抑える方法をまとめました。
渋谷区が環境政策課を通じて実施している家庭向けの助成を、すべて確認しました。蓄電池システムや太陽光発電システムの設置を対象にした制度は見当たりません。

近隣の区では独自の助成を設けているところもあるため、渋谷区にもあるはずだと考えて探される方は多いようです。しかし現時点では対象外というのが区の制度の実際です。
とはいえ、蓄電池の導入を諦める必要はありません。蓄電池の補助として金額が大きいのは東京都の制度で、区の助成はもともと上乗せの位置づけだからです。
都の制度は区に関係なく都内の住宅であれば対象になります。渋谷区に住んでいることで不利になるのは、上乗せ分を受け取れないという点に限られます。
蓄電池は対象外ですが、住まいのエネルギーに関わる助成として区が独自に用意しているものが3つあります。

金額としてはエネファームの30万円がもっとも大きく、次いでEV充電設備の10万円です。再エネ電力への切り替えは工事を伴わないため、条件を満たしやすい制度といえます。
家庭用燃料電池システムを設置する場合、30万円が助成されます。一般社団法人燃料電池普及促進協会が家庭用燃料電池システムとして指定している機器であることが条件です。
区内に住民登録がある個人か、設置完了報告までに区民になろうとする個人が対象になります。区内の自ら居住する住宅へ、未使用の機器を設置する必要があります。
受付期間は令和8年5月1日から令和9年3月15日までです。事前申請が必要で、同じ期限までに完了報告まで済ませなければなりません。
設備の組み合わせから考える
渋谷区は蓄電池が対象外のぶん、都と国の制度をどう組むかで負担が変わります。設備の構成によって使える制度が違うため、複数社の提案を比べておくと判断しやすくなります。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
渋谷区で蓄電池を導入する場合、費用を抑える手段は都と国の制度になります。

東京都の助成は蓄電容量1kWhあたり10万円で、デマンドレスポンス実証に参加しない場合の上限は1戸あたり120万円です。実証に参加する場合は加算があります。他の区の助成が20万円前後であることを考えると、金額の大半は都の制度から出ていることが分かります。
注意したいのが申請の順序です。都の助成は契約前に事前申込を済ませる必要があり、工事を先に進めると対象外になります。
区の助成がないぶん、渋谷区では都の制度が唯一の大きな支えになります。ここを逃すと受け取れる額が大きく変わるため、業者を決める前に申請の順序を確認しておいてください。
国のZEH化等支援事業なども、要件に合えば上乗せできます。ただし年度によって公募の時期や内容が変わるため、契約の段階で最新の状況を確かめる必要があるでしょう。
電気自動車やプラグインハイブリッド車を使っている方であれば、充電設備の助成を受けられます。1基あたり上限10万円で、区民は1基までです。

この制度で気をつけたいのが順序です。区の案内には、設置工事は交付決定後に行うようにと明記されています。
交付決定までは、書類が過不足なく提出されてから2週間ほどかかります。工事の日程を組む際は、この期間を見込んでおいてください。
次世代自動車振興センターが実施するクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の補助対象機種として指定され、公開されている未使用の充電設備が対象です。中古品は認められません。
助成額の計算は、機器本体の価格と、国の補助金の上限額を2倍した額のいずれか低いほうに設置工事費を加えた額です。そこから千円未満を切り捨て、1基あたり10万円が上限になります。
なお蓄電池と組み合わせて使うV2H機器については、対象一覧に含まれるかどうかを個別に確認する必要があります。区の案内は充電設備を対象としており、充放電を行う機器の扱いは一覧で確かめるのが確実です。
すでに設置してある充電設備を新しいものに交換する場合、この助成は使えません。新たに設置するものだけが対象です。
EVと蓄電池をまとめて検討する
渋谷区はEV充電設備に10万円の助成があります。蓄電池とあわせて導入を考えている場合、機器の組み合わせによって使える制度が変わるため、早い段階で整理しておくと無駄がありません。
複数社の提案を比べたうえで判断できます。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
3つの制度のうち、もっとも条件を満たしやすいのが再生可能エネルギー電力利用促進助成です。電力会社の契約を切り替えるだけで、30,000ハチペイポイントが交付されます。

設備の工事は必要ありません。蓄電池や太陽光を導入しない方でも使える制度です。集合住宅にお住まいで設備の設置が難しい場合でも、契約さえ切り替えられれば対象になります。
申請してすぐにポイントが交付されるわけではありません。切り替え後に3か月以上そのまま使い続け、利用継続報告を提出したうえで交付されます。
受付期間は令和8年5月1日から令和9年2月末までですが、この期限は利用継続報告までを含みます。3か月の継続期間を逆算すると、実質的な申請の期限はもっと早い時期です。
太陽光や風力、水力、地熱などを由来とする電力が対象です。非化石証書などを使って実質的に再生可能エネルギー100パーセントとなる電力も認められます。
区のページには把握している電力小売事業者の一覧が掲載されていますが、そこに載っていない事業者でも構わないとされています。契約を予定しているメニューの内容が確認できる書面を用意して申請してください。
共同住宅の場合、建物全体で一括して契約しているときは管理組合などへの確認が必要です。各家庭が個別に電力会社と契約している形であれば、切り替えができます。
渋谷区では蓄電池に助成がなく、エネファームには30万円が出ます。この差から、どちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。
エネファームは都市ガスから水素を取り出して発電する機器で、発電しながらお湯もつくります。一方の蓄電池は電気をためる機器で、それ自体は発電しません。
停電時の使い方も異なります。エネファームは停電時に発電を続けられる機種があるものの、あらかじめ対応した仕様であることが前提です。蓄電池はためた電力を取り出すため、天候やガスの供給状況に左右されにくいという特徴があります。
助成の金額だけを見るとエネファームが有利に映りますが、機器の本体価格や設置条件も違います。ガス配管の位置や設置スペースによっては、そもそも設置できないこともあります。
太陽光発電をすでに設置している、あるいは今後設置する予定があるなら、余剰電力をためられる蓄電池のほうが相性はよいでしょう。電気自動車を使っているなら、充電設備の助成とあわせて考える選択肢もあります。
エネファームと蓄電池は併用できます。区の助成としてはエネファーム分のみが対象になり、蓄電池は都と国の制度で補うという組み合わせです。
ただし機器が増えるほど設置スペースが必要になります。渋谷区のように敷地に余裕のない住宅では、置き場所が制約になることも考えておいてください。
制度以外の面でも、渋谷区ならではの事情があります。
渋谷区は住宅が密集している地域が多く、狭小住宅や三階建ての住宅も少なくありません。蓄電池は屋外に設置するタイプが主流で、機種によっては一定の離隔距離が求められます。
建物の周囲にどれだけの空間があるかによって、選べる機種が変わります。見積もりを取る前に、設置できる場所があるかどうかを現地で確認してもらうとよいでしょう。
蓄電池は太陽光発電とあわせて導入すると効果が高まります。ただし隣接する建物の影や屋根の面積によって、期待した発電量が得られない場合もあります。
集合住宅にお住まいで屋根が使えない場合は、蓄電池単体で導入して夜間の安い電力を蓄えるという使い方もあるでしょう。生活パターンによって適した構成が変わるため、複数の提案を比べてみてください。
都の事前申込を逃さないうちに動く
渋谷区は区の助成がないぶん、東京都の制度が費用を抑える唯一の柱になります。都は契約前の事前申込が必要で、順序を間違えると受け取れません。契約を決める前に整理しておくと確実です。
相談と見積もりは無料です。
対象は戸建て住宅です。マンション・区分住宅には対応していません。
3つの制度はいずれも環境政策課が窓口です。渋谷区役所本庁舎の12階にあり、郵送やメールでの提出にも対応しています。
いずれの制度も、受付期間内であっても予算額に達した時点で終了すると案内されています。年度の後半になるほど枠が埋まっている可能性が高くなるでしょう。
エネファームやEV充電設備は事前申請が必要なため、工事の計画を立てた段階で早めに動くほうが確実です。
エネファームと再エネ電力の助成では、住民税の滞納がないことが要件に含まれています。申請前に納付状況を確認しておいてください。
申請してから結果が通知されるまで、おおむね1か月かかるとされています。事前申請が必要な制度では、この期間を工事の日程に織り込んでおく必要があるでしょう。
補助金の受付が始まる時期には、制度を口実にした営業が増えます。制度を口実にした勧誘に注意してください。
国民生活センターにも、突然の訪問を受けて太陽光発電設備や家庭用蓄電池を契約したという相談が寄せられています。その場で契約せず、見積もりの内容と補助金の手続きを確認してから判断してください。
とくに渋谷区は区の助成がないため、区の補助金が使えると説明された場合は事実と異なります。金額の妥当性を判断するためにも、複数の事業者から見積もりを取ることをおすすめします。
令和8年度時点で、蓄電池を対象にした区独自の助成はありません。エネファーム、電気自動車等用充電設備、再生可能エネルギー電力の3つが家庭向けの制度です。
そうとは限りません。蓄電池の補助として金額が大きいのは東京都の制度で、1kWhあたり10万円、上限120万円です。都の制度は区に関係なく利用できます。
ありません。太陽光発電システムの設置についても区の助成は設けられていないため、東京都や国の制度を利用することになります。都には太陽光発電の導入を促す事業があり、蓄電池とあわせて申請できる場合があります。
区の案内では、次世代自動車振興センターが公開している対象機種一覧に掲載された充電設備が対象とされています。V2H機器が含まれるかどうかは一覧で確認するのが確実です。
受けられます。設備の設置は条件になっておらず、電力契約を再生可能エネルギー100パーセントのメニューに切り替えることが要件です。
渋谷区には蓄電池と太陽光発電を対象にした助成がありません。使えるのはエネファーム設置助成の30万円、電気自動車等用充電設備導入助成の10万円、再生可能エネルギー電力利用促進助成の30,000ハチペイポイントの3つです。
蓄電池の費用を抑えるには、東京都の制度が中心になります。1kWhあたり10万円で上限120万円と規模が大きく、区の助成がないことによる差は思うほど大きくありません。
ただし都の制度は契約前の事前申込が必須です。区の助成がないぶん、都の申込を逃したときの影響は他の区より大きくなります。業者を決める前に、申請の順序を確かめてから進めてください。