江戸川区で蓄電池の導入を検討している方に向けて、区の補助制度を整理しました。令和8年度は、定置型蓄電池の単独補助がありません。
ただし、まったく出ないわけではありません。再生可能エネルギー100%電力への切替とセットにすれば、2万円の上乗せを受けられます。
この点について、他のサイトでは記述が食い違っています。「令和8年度から蓄電池の補助金が新設された」と書いているものもありますが、区の公式ページには単独メニューが令和7年度に終了したと明記されています。
この記事では、区の公表資料をもとに、対象メニュー・上乗せの条件・残件数の状況を整理しました。あわせて、蓄電池の負担を実際に下げる方法も扱います。
江戸川区に蓄電池単独の補助金はない
制度の名称は「江戸川区脱炭素補助金」です。再生可能エネルギーの利用促進と災害時のレジリエンス強化を目的としています。

令和7年度で終了したと区が明記している
区のページには、太陽光システムおよび定置型蓄電池の単独での補助金メニューは令和7年度に終了したと注記されています。令和8年度の対象は次の4つです。
- 再エネ100%電力切替(一律20,000円)
- 集合住宅の一括再エネ100%切替(1戸あたり10,000円・上限100万円)
- ポータブル蓄電池(一律10,000円)
- 電気自動車等(一律100,000円)
令和7年度までは、太陽光に1kWあたり75,000円(上限225,000円)といった補助がありました。その枠組みが令和8年度から変わっています。
情報が食い違っている理由
検索すると「蓄電池の補助金が新設された」という記述に出会うことがあります。おそらく上乗せ補助の存在を新設と受け取ったものでしょう。
ただし上乗せは、再エネ電力への切替を前提とした加算です。蓄電池を導入しただけでは受け取れません。金額を見込んで進めると計算が合わなくなります。
令和7年度までは金額が大きかった
ひとつ前の年度と比べると、区の支援は縮小しています。令和7年度は太陽光に1kWあたり75,000円で上限225,000円という単価があり、定置型蓄電池にも独立したメニューがありました。
令和8年度はこれらが姿を消し、電力契約の切替を軸にした制度へ移っています。過去の情報を見て金額を見込むと、実際とかけ離れてしまいます。
年度をまたいで残っている記事も多いため、金額を確認するときは必ず年度を確かめてください。
再エネ100%電力への切替が起点になる
江戸川区の制度は、電力契約の切替を軸に組み立てられています。

一律20,000円が基本になる
再生可能エネルギー由来の電力を導入する際の費用の一部を補助する制度で、再エネ100%電力への切替に対して一律20,000円が交付されます。
集合住宅で一括して切り替える場合は、1戸あたり10,000円で上限100万円です。こちらの申請者は建物の家主か管理組合等になります。
前後6か月以内の導入で2万円上乗せ
ここが蓄電池と関わる部分です。区の注記には、太陽光システム、定置型蓄電池、高効率給湯器のいずれかを前後6か月以内に導入した場合、2万円の上乗せ補助があると記載されています。
「前後」とある点が重要です。切替の後に蓄電池を入れる場合だけでなく、先に蓄電池を導入してから6か月以内に切り替えるケースも含まれます。
つまり基本の20,000円と上乗せの20,000円で、合計40,000円になる計算です。蓄電池単独では1円も出ませんが、電力契約を見直せば受け取れます。
江戸川区で使える制度を確認する
区の補助は再エネ切替が前提で、蓄電池の負担は東京都の制度が中心になります。合計の自己負担額は見積もりを取らないと確定しません。
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残件数が公表されている
江戸川区は補助の進み具合を件数で公表しています。金額ではなく件数という点が、他区と違うところです。

7月27日時点の状況
再エネ100%電力切替は650件のうち84件で、まだ余裕があります。一方ポータブル蓄電池は100件のうち75件が決定済みで、残りは25件です。
電気自動車等はすでに受付終了
電気自動車等は予定件数200件に対して申請が多数となり、7月26日に受付を終了しました。区のページ冒頭にも案内が出ています。
予定件数に達した時点で受付は終了します。年度末まで受け付けられるとは限りません。検討しているなら、残件数を確認してから動くほうが確実でしょう。
書類は先に揃えておく
上乗せ補助を狙う場合、設備の導入を証明する書類が必要になります。購入日や契約日がわかる書類、支払いの完了がわかる書類、設置後の現況写真といったものです。
契約を先に進めてから書類を探すと、揃わないことがあります。契約書や領収書は必ず保管しておいてください。
また電気自動車等の補助では、令和7年1月1日時点で江戸川区に住んでいなかった方は納税証明書の提出が必要とされています。他のメニューでも住民税の滞納がないことが条件になるため、転入して間もない場合は確認しておくとよいでしょう。
ポータブル蓄電池は一律1万円
混同しやすい点を整理しておきます。区の補助対象になっている「ポータブル蓄電池」と、住宅に設置する「定置型蓄電池」は別のものです。

定置型蓄電池とは別のメニュー
ポータブル蓄電池は持ち運べる非常用電源で、一律10,000円が交付されます。単独のメニューとして残っているのはこちらです。停電時にスマートフォンや小型家電を動かす用途が中心で、住宅全体をまかなうものではありません。
家庭用として住宅に据え付けるのは定置型蓄電池にあたり、こちらは単独の補助がありません。再エネ切替の上乗せ2万円が対象になります。
「江戸川区に蓄電池の補助がある」という情報を見かけたら、どちらを指しているか確認してください。金額も条件もまったく違います。
対象になる人の条件
制度ごとに細かな違いはありますが、共通する前提があります。
申請できるのは、区内に住所を有する個人で、住民税の滞納がない方です。集合住宅一括メニューについては、建物の家主か管理組合等が対象になります。
区の制度は国や東京都の補助制度と併用できると明記されています。区の補助が小さいぶん、他の制度と組み合わせる前提で考えるのが現実的でしょう。
他の補助金と合計が上回る場合
区の電気自動車等の補助では、他の補助金を含めた補助金額が購入経費を上回る場合、上回る分を減額すると案内されています。設備の補助でも同様の考え方が取られるのが一般的です。
自己負担がゼロを下回るような組み合わせはできません。複数の制度を重ねるときは、対象経費の総額を超えていないかを確認しておいてください。
また区の暴力団排除条例に基づく要件も定められています。申請にあたっては、区が示す要件を一通り確認しておくと安心でしょう。
蓄電池は東京都の制度で下げる
区の補助が限られている以上、負担を下げるなら東京都の制度が中心になります。

東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」では、蓄電容量1kWhあたり10万円が助成されます。DR実証に参加しない場合の上限は1戸あたり120万円です。
10kWhの蓄電池なら100万円になる計算で、区の2万円とは桁が違います。江戸川区で蓄電池を検討するなら、都の制度をどう使うかが実質的な論点です。
実際にいくら下がるか
数字で見ておきましょう。江戸川区で太陽光5kWと蓄電池10kWhを導入し、あわせて再エネ100%電力に切り替えた場合を考えます。
区からの4万円に対し、都からは160万円前後という規模の差になります。区の補助を待って動くより、都の要件を外さないことのほうが金額への影響は大きいでしょう。
数字は単価から計算した目安です。都の助成は対象経費との比較が入るため、実際の額は見積もりの段階で確認してください。
順序に注意する
東京都の助成は契約締結前の事前申込が必要です。工事を始めてから申し込むことはできません。
区の補助は導入後に申請する形なので、順序が逆になります。両方を使うつもりなら、都の事前申込を先に済ませてください。
なお都の助成には条件もあります。太陽光発電システムが既に設置されているか、蓄電池と併せて新たに導入する場合は問題ありません。蓄電池だけを設置するなら、都が定める再生可能エネルギー電力メニューの契約が前提になります。
江戸川区の補助も再エネ電力への切替が起点ですから、結果的に電力契約の見直しが両方に効いてくる形です。
都の制度を使った実質負担を試算する
蓄電池の助成額は蓄電容量と機器の価格で変わります。区の上乗せと合わせて、自己負担がいくらになるかを先に把握しておくと判断しやすくなります。
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いつ動くのが良いか
タイミングも整理しておきましょう。区の再エネ切替補助は令和8年4月6日から受付が始まっており、残件数にはまだ余裕があります。一方、都の助成には事前申込が契約より前という制約が付きます。
つまり先に決めるべきは都の事前申込で、区の切替は工事の前後6か月という幅のなかで調整できるわけです。
電力契約の切替自体は工事を伴わないため、比較的動きやすい手続きです。設備の導入時期が決まったら、その前後6か月に収まるよう切替の時期を合わせるとよいでしょう。
よくある質問
蓄電池だけを導入した場合は対象になりますか
なりません。定置型蓄電池の単独メニューは令和7年度に終了しています。再エネ100%電力への切替と組み合わせた場合に、2万円の上乗せ補助が対象になります。
先に蓄電池を導入していても間に合いますか
区の注記では前後6か月以内とされています。切替より前に導入した場合も、その期間内であれば対象と読めます。実際の可否は区へ確認してください。
切替だけでも申請できますか
できます。再エネ100%電力切替は一律20,000円の単独メニューです。設備の導入がなくても対象になります。上乗せの20,000円が、太陽光や蓄電池などを前後6か月以内に導入した場合の加算という位置づけです。
再エネ100%電力とは何ですか
太陽光や風力といった再生可能エネルギー由来の電力を供給する契約メニューです。電力会社を切り替えるか、同じ会社のメニューを変更する形になります。
賃貸住宅に住んでいても対象になりますか
再エネ100%電力への切替は、電力契約を自分の名義で結んでいれば賃貸でも該当しうる内容です。区内に住所を有する個人で住民税の滞納がないことが条件になります。ただし設備の導入を伴う上乗せは、住宅への設置が前提です。詳細は区へ確認してください。
集合住宅の一括切替はどう申請しますか
申請者は建物の家主か管理組合等になります。1戸あたり10,000円で上限100万円という設定です。7月27日時点の補助決定件数は0件で、予定は9棟でした。
他の区と比べてどうですか
蓄電池への対応は23区でも分かれています。杉並区は定額5万円、足立区は上限5万円(区内事業者なら6万円)です。一方、練馬区と世田谷区、板橋区は定置型蓄電池が対象外になっています。
まとめ
江戸川区の定置型蓄電池の単独補助は、令和7年度で終了しました。令和8年度に受け取れるのは、再エネ100%電力への切替を前提とした上乗せ2万円です。
基本の20,000円と合わせて40,000円になりますが、電力契約を切り替えなければ対象になりません。蓄電池を入れるだけでは出ないという点を押さえておいてください。
残件数は区が公表しています。ポータブル蓄電池は100件のうち75件が決定済みで、電気自動車等はすでに受付を終えました。予定件数に達すれば年度末を待たずに終わります。
金額の中心は東京都の制度が担います。区の4万円に対し、都からは太陽光と蓄電池で160万円前後という規模です。そちらの事前申込を先に済ませるところから始めるのが現実的でしょう。
順序を整理してから動く
東京都の事前申込は契約より前に必要です。区の上乗せと合わせて、どの手続きをいつ行うかを先に決めておくと取りこぼしを防げます。
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