足立区で蓄電池の導入を検討している方に向けて、区の補助制度を整理しました。足立区には蓄電池への補助があり、上限6万円が交付されます。
金額そのものは他区と大きく変わりませんが、足立区には独自の仕組みがあります。区内事業者と契約すると、補助額が2割増しになるというものです。
太陽光と合わせると、業者を選ぶだけで5万8千円の差がつきます。見積もりの金額が同じでも、受け取れる補助が変わるということです。
この記事では、区の公式ページで確認した内容をもとに、補助額・受付期間・申請の期限・対象機器の条件を整理しました。足立区は受付が4期に分かれていて、期の途中で終わることもあるため、時期の把握も重要になります。
足立区の蓄電池補助金は上限6万円
制度の名称は「太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金」です。設置後に申請する事後申請の形になります。

令和8年度から太陽光と一つの制度になった
令和8年度から、太陽光発電システムと蓄電池が一つの補助金にまとまりました。区のページにも、令和8年度から太陽光発電システムと蓄電池は一つの補助金になったと明記されています。
ただし太陽光・蓄電池それぞれ個別の申請も可能です。蓄電池だけを導入する場合でも、この制度を使えます。
太陽光は1kWあたり7万2千円・上限28万8千円
太陽光発電システムの補助単価は1kWあたり6万円で、上限は24万円です。区内事業者と契約した場合は1kWあたり7万2千円、上限28万8千円になります。
発電設備最大出力はkW表示で、小数点以下2桁未満は切り捨てです。蓄電池は容量にかかわらず定額で、上限5万円(区内事業者なら6万円)となっています。
近隣の区と比べた位置づけ
蓄電池への補助がある区とない区が混在しています。杉並区は定額5万円、足立区は上限5万円(区内事業者なら6万円)です。
一方、練馬区は令和8年度の対象設備に蓄電池が含まれておらず、世田谷区は令和8年度から太陽光と蓄電池の両方が対象を外れました。板橋区も蓄電池は対象外で、太陽光にポイントを付与する制度になっています。
足立区は蓄電池と太陽光の両方に補助がある区にあたります。金額の面でも23区のなかでは手厚い部類でしょう。
区内事業者と契約すると2割増しになる
足立区の制度でもっとも特徴的なのがここです。契約する事業者によって、受け取れる金額が変わります。

太陽光5kWで4万8千円の差がつく
太陽光を4kW以上設置する場合、区外事業者なら上限24万円、区内事業者なら28万8千円です。差は4万8千円になります。
蓄電池は5万円と6万円で1万円の差です。太陽光と蓄電池をまとめて導入するなら、合計で5万8千円変わります。
工事の内容も見積額も同じで、契約先が違うだけでこの差が出ます。相見積もりを取るとき、区内事業者が含まれているかを確認しておく価値があるでしょう。
区内事業者の定義は契約書の住所
判定の基準は明確です。足立区内に本店、支店または営業所等を有し、当該営業所において対象機器の販売および工事の契約締結を行った事業者が区内事業者にあたります。
契約書に記載された事業者住所が足立区内であることが判定の条件です。本社が区外でも、区内の営業所と契約すれば該当します。逆に、区内に事務所があっても契約書の住所が区外なら認められません。
なお区は「あだち・そらとつながるプロジェクト」で、安心して設置できる足立区内事業者を紹介しています。
区内事業者を含めて見積もりを取る
契約先が区内かどうかで、補助額が2割変わります。同じ工事でも受け取れる金額が違うため、複数社を比べておくと確実です。
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受付は4期に分かれている
足立区は年度を通して受け付けるのではなく、4つの期に分けています。

8月3日現在は第2期を受付中
区が公表している受付状況一覧では、令和8年8月3日現在で太陽光発電システム・蓄電池設置費補助金は第2期を受付中とされています。
第1期は令和8年4月13日から6月30日までで、すでに終了しました。第2期は7月1日から9月30日まで、第3期は10月1日から12月28日まで、第4期は令和9年1月4日から2月26日までです。
各期が数日で終わる場合もある
期の区切りだけを見て安心はできません。受付期間に関わらず、各期の予算に達し次第終了します。
区のページには「各期数日で終了する場合もございます」と書かれています。期の初日を過ぎてから準備を始めると、間に合わない可能性があるということです。
受付状況は区のページで更新されているので、申請の前に確認しておいてください。なお申請結果の通知には3か月から4か月程度かかります。
支払いから12か月以内という期限
もうひとつ、見落とすと申請できなくなる条件があります。

機器等の支払いが完了した日から12か月を経過していないことが要件です。ローンによる支払いの場合は、ローン契約日が起算日になります。
設置してから時間が経つと、要件を満たさなくなります。期の予算切れを待って次の期に回そうとすると、この期限に引っかかる可能性があるでしょう。
買替えと2台目の増設は対象外
対象になるのは、未使用の機器等を新規に購入して設置した場合です。リースは除かれます。
太陽電池モジュール、パワーコンディショナー、蓄電池等の買替えおよび2台目以降の増設は対象外と明記されています。既存設備の入れ替えでは申請できません。
対象になる機器の条件
機器そのものにも条件があります。

蓄電池はSII登録製品であること
蓄電池は、一般社団法人環境共創イニシアチブが戸建住宅ZEH化等支援事業の補助対象機器として登録しているものが対象です。
なお令和8年度の申請については、令和7年度の戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化等支援事業の蓄電システム登録済製品も対象とされています。年度をまたいだ登録製品が使える点は、機種選びの幅につながります。
太陽光は余剰電力の受給契約が必要
太陽光発電システムを設置した場合、電力会社と余剰電力の買い取りにかかる電力受給契約を締結していることが要件です。全量自家消費の設計では、この条件を満たしません。
モジュールについては、電気安全環境研究所(JET)または国際電気標準会議のIECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関による太陽光電池モジュール認証を受け、認証の有効期限内の製品であることが求められます。
申請は設置後・郵送または持参
申請の受付は環境政策課管理係が行います。提出は郵送または持参です。
申請できるのは、区内の建築物に機器等を設置した個人、集合住宅所有者または分譲マンションの管理者、中小規模事業者、医療法人や学校法人などの法人、町会・自治会等です。
提出書類はチェックリストで確認する
区は提出書類チェックリストを公開しています。太陽光発電システムのみ申請する場合と、蓄電池のみ申請する場合とで別々のチェックリストが用意されています。
書類作成時の注意も示されていました。鉛筆や消えるボールペンは使用できません。申請書の裏面にはアンケートが記載されているので、あわせて記入してください。
申請書の提出を事業者等に依頼した場合、書類に関する質問や依頼は原則として申請書に記載の事業者へ連絡されます。代行を頼むなら、その事業者が要綱を理解しているかどうかが進めやすさを左右するでしょう。
なお申請書類に不備があり、連絡しても電話等がつながらない場合や、必要書類の提出を求めてもおおむね2週間以上提出がない場合は、審査が継続できないと判断され申請書一式が返却されることがあります。
他の補助金と合わせて上回る場合
併用にも条件があります。他団体の補助金交付額と区の補助金交付額の合計額が対象経費を上回る場合、その上回った金額が区の補助金から減額されます。
対象機器等の概要書には、他団体の補助金の申請状況を正しく記載してください。虚偽が判明した場合は交付決定が取り消される可能性があると明記されています。
また手続き代行者や施工業者等が虚偽その他不正の手段により手続きを行った場合、一定期間その事業者を対象外とすることや、氏名・名称および不正行為の内容を公表する可能性があるとされています。
区職員をかたる訪問に注意
区が注意喚起を出しています。足立区職員を名乗る者が、太陽光発電・蓄電池補助金の説明と称して区民の自宅を訪問する事案が発生しているというものです。
区の職員が補助金の説明のために自宅を訪問することはありません。そうした訪問を受けた場合は、その場で契約せず区へ確認してください。
設置前に条件を整理する
足立区は事後申請ですが、東京都は契約前の事前申込が必要です。順序と期限を先に押さえておくと取りこぼしを防げます。
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東京都の制度と併用する
区の補助は東京都の制度と併用できます。金額の規模でいえば、都のほうが大きくなるでしょう。
東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」では、蓄電容量1kWhあたり10万円が助成されます。DR実証に参加しない場合の上限は1戸あたり120万円です。
ただし条件があります。太陽光発電システムが既に設置されているか、蓄電池と併せて新たに導入する場合は問題ありません。蓄電池だけを設置するなら、都が定める再生可能エネルギー電力メニューの契約が前提になります。
順序にも注意が必要です。足立区は設置後の申請ですが、東京都は契約締結前の事前申込が必要になります。都の事前申込を先に済ませてから工事に入ってください。
都と区の順序をどう組むか
足立区と東京都では手続きの位置が逆になります。整理すると次の順番です。
- 東京都へ事前申込(契約より前)
- 契約を締結し、工事を実施
- 支払いを完了させる
- 足立区へ申請(支払いから12か月以内・受付期間中)
- 東京都へ交付申請兼実績報告
起点は東京都の事前申込です。ここを飛ばすと都の助成が受けられません。区の受付期間だけを見て動くと、都の要件を外す可能性があります。
区の申請は期の予算次第で早く締まるため、支払いが済んだらすぐ動くほうが安全でしょう。都の交付申請兼実績報告にも期限があるので、両方の期限を並べて管理してください。
よくある質問
蓄電池だけでも申請できますか
できます。令和8年度から太陽光と一つの補助金になりましたが、区のページには太陽光・蓄電池それぞれ個別の申請も可能と記載されています。
区内事業者かどうかはどう確認しますか
契約書に記載された事業者住所が足立区内であることが判定の基準です。見積もりの段階で、契約書の住所がどこになるかを事業者に確認しておいてください。
申請から交付までどれくらいかかりますか
区のページでは、申請結果は3か月から4か月程度で通知するとされています。申請してすぐ振り込まれるわけではないため、資金計画には織り込んでおいてください。
第2期の予算がなくなったら第3期に申請できますか
次の期に申請すること自体は可能ですが、支払いが完了した日から12か月以内という要件は変わりません。設置時期によっては期限を超えてしまう可能性があります。
リースやゼロ円ソーラーは対象になりますか
対象になりません。未使用の機器等を新規に購入して設置していることが要件で、リースは除くと明記されています。事業者が設備を所有したまま設置する形の契約は該当しません。
集合住宅でも対象になりますか
集合住宅所有者または分譲マンションの管理者も申請対象に含まれています。区内の建築物に機器等を設置していることが前提です。
まとめ
足立区の蓄電池補助金は上限5万円、区内事業者と契約した場合は6万円です。太陽光は1kWあたり6万円(区内事業者なら7万2千円)で、上限は24万円(同28万8千円)になります。
特徴は、区内事業者を選ぶと2割増しになる点です。太陽光と蓄電池をまとめて導入するなら、合計で5万8千円の差がつきます。
受付は4期に分かれていて、各期の予算に達し次第終了します。区は数日で終わる場合もあると案内しているため、期の初日に合わせて準備しておくほうが確実でしょう。
支払いから12か月以内という期限もあります。設置を終えたら、次の期を待つより早めに動くほうが安全です。東京都の事前申込は契約より前に必要なので、そちらから逆算して工事の日程を組んでください。
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